パーフェクトトップは、日本ペイント株式会社が製造する外壁用の塗料。
大手の塗料を安心して使いたい、間違いない塗料を選びたい人におすすめしたい塗料です。
しかし、このパーフェクトトップを塗装屋さんから紹介されても一体どういう塗料なのか、わからない方も多いと思います。
そこで今回は、パーフェクトトップのメリット・デメリットやパーフェクトシリーズの詳細や比較など、塗料を選ぶために必要な情報を紹介していきます。
どんな特徴があるのか知って、塗料選びの参考にしてみてください。
パーフェクトトップのメリット
まずはパーフェクトトップのメリットを5つ紹介します。
1.塗料業界で知名度ナンバー1!ほとんどの塗装店で取り扱い
パーフェクトトップは業界で知らない人はいない、というぐらい知名度の高い塗料です。市場の流通量も多く、価格が安いのが特徴です。どこの施工店でも買えない事は無いでしょう。
さらに、パーフェクトトップを製造している日本ペイントは、大人なら誰でも聞いたことがある大企業です。塗料を製造した歴史が古く、日本を代表する企業ですので、安心感がありますよね。
2.塗りやすさから塗装の失敗も少ない
パーフェクトトップはその流通量が多くの塗装職人が塗装した経験があります。
塗料としての柔軟性が高く塗装職人からすると塗りやすいのが特徴です。そのため、職人の腕による不具合が出にくく、誰が塗装しても仕上がりにブレが生じにくい塗料です。
この理由は、アクリル樹脂に中空のポリマーを使用することで、塗料として外壁引っ付く粘度や表面張力から塗りやすさにつながっています。
例えると、壁にしゃばしゃばな水を塗るのと、ドロっとした粘土のある液体を塗るのでは、外壁に塗りやすいのはドロっとした液体ですよね。パーフェクトトップはこういった塗りやすさにも注目して製造されています。
3.パーフェクトトップならではの高光沢
この中空ポリマーを使った事で塗りやすさとか、付着しやすさが増えることに加え、光沢も良くなり、見た目への良い影響があります。
よく業界のことばでは「転写性」と言いますが、簡単に伝えると、塗料を外壁材に塗った時に、かすれたり透けたりしにくく、キレイに仕上がるということです。この効果により高光沢のある仕上がりとなり、塗装後の見た目(仕上がり)も良くなります。
4.安いのに耐久がある
パーフェクトトップは市場の流通量が多いため価格が安定して安いのですが、売れている理由には安いのに耐久性が高い事があります。
価格は大体10,000円〜13,000円ほどで耐候性は12年から15年程度とコスパが良いことで有名な塗料です。
パーフェクトトップは、ラジカル制御型アクリル系樹脂塗料です。つまり樹脂としては耐候性が低いとされるアクリル系ですが、そこにラジカル制御を組み合わせる事で、塗膜に耐久性を持たせました。
このラジカル制御をアクリル樹脂系に採用する事で、塗料としての費用は抑えつつ、シリコン樹脂塗料と同等の耐候性を実現したのが、パーフェクトトップです。
5.調色出来る色が多い
パーフェクトトップは、調色できる色が多く、ほとんどの色を製造することが可能です。
一般的に、フッ素塗料や無機塗料だと調色できない色が存在しますが、パーフェクトトップは退色しやすい色で有名なオレンジとか黄色や緑でも調色することが可能です。
飲食店の外壁や企業のブランドイメージに合わせた色で塗装したい場合にもオススメの塗料です。
パーフェクトトップのデメリット
隙の無いパーフェクトトップですが、実はデメリットもあります。
1.色によっては退色が早い
ほとんどの色で製造できるパーフェクトトップですが、やはり赤・黄・青・緑系の色は退色が早いです。
これは、パーフェクトップの限った話ではありませんが、他社の塗料メーカーの場合は、公表している耐用年数が下がってしまうため、近似色することがあります。
2.全体の塗料と比べると耐候性が低い
最近では、20年や30年といった塗料が増えてきていて、そういった塗料と比べるとアクリル樹脂系のラジカル制御型は中の下ぐらいのポジションとなってしまいます。
パーフェクトシリーズの一覧
ここまでは、パーフェクトトップの基本的な情報を紹介してきました。
ここからはパーフェクトシリーズとして、パーフェクトトップ意外の塗料にも注目してそれぞれの特徴を詳しく説明します。
パーフェクトシリーズ比較表
パーフェクトシリーズは多くの種類が作られています。
それぞれ、使用用途や塗る場所、グレードによって選べるようになっています。
次の表は各塗料の特徴をまとめた表です。
製品名 | 樹脂 | 屋根/外壁 | 耐用年数 | 特徴 |
パーフェクトトップ | ラジカル制御形アクリル系 | 外壁用 | 12〜15年 | |
パーフェクトトップローズ | ラジカル制御形アクリル系 | 外壁用 | 12〜15年 | 花の香り |
ファインパーフェクトトップ | ラジカル制御形アクリル系 | 外壁用 | 12〜15年 | |
パーフェクトセラミックトップG | ラジカル制御形無機系 | 外壁用 | 20〜25年 | 超高耐候 |
ファインパーフェクトベスト | ラジカル制御型アクリル系 | 屋根用 | 12〜15年 | |
パーフェクトクーラーベスト | ラジカル制御型アクリル系 | 屋根用 | 12年 | 遮熱 |
上の表を見れば分かる通り、耐用年数が増えるほど塗料の価格も上がり、塗り替え回数を減らす事が可能となります。
次はパーフェクトトップで外壁塗装を考えている方に特におすすめのパーフェクトシリーズをご紹介します。
パーフェクトトップの詳細
パーフェクトトップは初めて外壁塗装を考えている方におすすめの塗料です。
パーフェクトトップ
期待耐用年数 | 12年〜15年 |
艶 | 艶有り 7分艶 5分艶 3分艶 |
希釈材 | 水道水 |
希釈幅 | 3%〜5% |
乾燥時間 | 5度 8時間 23度 3時間 30度 2時間 |
パーフェクトトップがどんな塗料なのか、細かい特徴を紹介します。
期待耐用年数12年〜15年
パーフェクトップの期待耐用年数は12年から15年です。一般的なシリコン塗料だと12年が多いため、シリコン塗料よりは耐久性が高いのが特徴。これは実はすごいことで、パーフェクトトップの樹脂はアクリル系を採用しています。本来、アクリル系の樹脂は7年前後の塗料が多い中、パーフェクトトップは12年となっています。
この理由としては、アクリル樹脂系だけど、ラジカル制御形のアクリル樹脂系を採用していることで、アクリル樹脂系の劣化をラジカル制御技術を持って防ぐからです。
市場に多く安く利用できる
パーフェクトトップは市場に多くので、塗装費用も安いのが特徴です。また、万が一塗料が足りなくなってしまっても、すぐに入手できるため、材料不足による工期延長も考えられにくいです。
施工実績が多く、職人による不具合が少ない
パーフェクトップは外壁塗装で実績が豊富です。そのため、多くの職人が塗装経験があることが多く慣れている場合が多いです。また、水性塗料は刷毛の後が残りやすいですが、パーフェクトトップは転写性が高く塗りやすいことが特徴。職人による腕の差が出にくい安心できる塗料です。
親水塗膜採用で低汚染性
パーフェクトトップは「撥水」ではなく「親水」性の塗膜です。これは塗膜上に雨があたると塗膜になじみ汚れと塗膜の間に雨が入り込むことで、汚れを浮かし雨水と一緒に流れやすくなります。親水性伸弘塗膜全般に言える特徴です。
防藻・防カビ性
塗料に藻やカビを防ぐ添加剤を配合しているため、カビや藻の発生を防ぎやすいです。完全に防ぐものではなく、近くに森があったり小川があったり、湿度が高い場所はどうしても発生してしまいます。
結露を防ぐ透湿性
外壁材の含む水分がたまってしまうと、塗膜が膨れてしまうケースがあります。パーフェクトトップは透湿性のある塗料ですので、膨れにくくなるのが特徴です。
パーフェクトトップの調色
パーフェクトトップの調色できる色は、日本ペイント標準色と日本塗料工業会の色見本帳から色を選んで調色が可能です。調色可能範囲としては、淡彩色~濃彩色です。読んで字のごとく、淡い色から濃い色まで調色ができます。
日本ペイント標準色
実際に見る色味と画面上で見る色味は違って見えますので、イメージとしてご参考にしてください。
日本塗料工業会カラーコード
https://www.toryo.or.jp/jp/color/standard/2021L.html
ご希望の色味はインターネットでカラーコード(19−30Bなど)検索すると画面上で色を確認することできます。
パーフェクトトップの施工事例
パーフェクトップの塗装仕上がりを動画で公開しているのでわかりやすいです。
https://www.kouei-n.com/works/sekou/frp/works-18805/
動画を見てもらえばわかりやすいですが、光沢感が強いのがわかると思います。これはパーフェクトップならではの発色をしています。
パーフェクトトップが塗装できる外壁材
パーフェクトトップが使える外壁材は、
上記の外壁材に使うことができます。しかし、劣化していない外壁材と劣化している外壁材では、塗料を使う量が異なります。特に、ジョリパット、リシンが吹かれている外壁材は塗料の「吸い込み」が多いですが、下塗りの回数を増やすことで、上塗りのパーフェクトトップが吸い込まれることなく仕上がりが良くなります。
パーフェクトトップの塗装に注意が必要な外壁材
パーフェクトトップを塗装する際に注意が必要な外壁材は、
漆喰やブロック塀、レンガ、素焼きタイルは吸い込みが多く、下塗りの回数が多い時で5回塗る場合があります。このような吸い込みが多い基材は吸い込みが止まるまで下塗りの回数を増やせば上塗りのパーフェクトップが吸い込まれる事はなくなります。
光触媒についても、下塗りが高密着の下塗りを使う必要があります。その場合は、日本ペイントの「ファインパーフェクトシーラー」といった付着力の高い下塗りを使う必要があります。
パーフェクトトップとよく比べられる他社の塗料
パーフェクトトップと同グレードでよく比較される塗料は、
このような塗料がパーフェクトトップとよく比較されます。
それぞれのメーカーで違いはあるのですが、正直どれを選んでもそこまで差はありません。それであれば名の知れている塗料メーカーの塗料を選んだり、価格が安い塗料を選んでも塗料が原因で起こる不具合は少ないです。
不具合は塗料が原因ではなく、施工環境(今の家の状態や環境)や施工(塗装方法)によるものがほとんどです。
まとめ パーフェクトトップはコスパ優れる人気の塗料
いかがだったでしょうか。今回はパーフェクトトップの特徴をメインに紹介してきました。
特に私がパーフェクトトップを「凄い!」と思うところは、ラジカル制御形のアクリル系塗料という点です。ラジカルのシリコン塗料と同じクラスの期待耐用年数となっていますので、そこには日本ペイントの高いラジカル制御技術が詰め込まれていると感じます。
日本ペイントは海外でも成功しており、塗料の開発費用や試験環境など塗料メーカーの中でも群を抜いています。こういった会社の体力が製品力に強く影響しています。
開発背景などを知ると、どういう意図でこの塗料が作られているのかわかり、消費者が選ぶ決め手になったりもします。
是非この機会にパーフェクトトップ や日本ペイントについて調べてみてください。